患者
30代 女性 岐阜市 K.Kさん
来院
2017年1月
症状
昨年の10月(3ヶ月前)に2人目を出産してから今までよりも腰の痛み、ダルさを感じるようになってきていた。また1人目を妊娠していた時には、右足に坐骨神経痛が出てきて辛い経験をされていた。
今回2人目の妊娠時には坐骨神経痛は出なかったが、出産後の腰の状態もあまり良くなく、授乳時の背中のハリ・痛みや尿漏れも気になっていた。また、そのうち坐骨神経痛が出てくるんじゃないか・・・といった不安も抱えていた。
1人目を出産してからは、首・肩こりにもずっと悩まされていて、あまりに辛い時にはマッサージなどに行かれていた。しかし、その場は楽になっても通うごとに身体の状態が良くなっている。といった感覚はなく正直その場しのぎ・・・といった印象を受けていた。
治療内容と経過
初回の施術前の問診・検査にて、お身体の状態を確認。
初回施術には腰の痛み・ハリは、ほぼなくなった。
その後は週1回のペースで通院されて、5回目の施術後には腰の痛みはもちろんであるが首や肩こりの症状も気にならないほどになられた。
もともと低血圧もあり、内臓疲労も見られたので合わせて調整。
また自宅でも簡単に出来るセルフケアの方法も覚えてもらい、日々の育児のちょっとした合間にやっていただき当初の予定通り、順調に身体の状態は安定していき施術計画通りの計6回通院されベーシックコース終了となり、卒業された。
使用した主な手技療法
産後骨盤矯正・頚椎矯正・内臓調整
考察
産後の方に多いのが、出産前の妊娠後期以降にお腹が急に大きくなることによって姿勢のバランスが変わってしまいます。具体的に最も起こりやすいのは、お腹が前に出ることによって腰(骨盤)は前へ反っていきます。腰が反ったままだと腰が辛くなるので、大抵の場合は顔を前に出し、背中を丸くさせ(猫背)なんとかバランスを取ろうとします。
パッと見、猫背になりお腹(下腹)を前へ突き出したような姿勢になりがちです。
またこのようなバランスの崩れた姿勢は出産に向け、数ヶ月の間で急激に変化していきますので、バランスの取れていない姿勢に身体はついていけなくなります。
妊娠後期の2、3ヶ月の間このような良くない姿勢を毎日取らないといけないので、その間に関節や骨盤・筋肉もこの本来の状態ではないバランスの崩れた姿勢、力の入れ方を覚えてしまいます。
これらにプラスされて、出産時には子宮口が開くため、骨盤の(特に下部)は広がります。通常出産後には子宮の筋肉の収縮が始まり、出産前の本来の状態に戻ろうと働きます。
しかし、戻りきらなかったり、骨盤部の歪みや腰の反りが強いまま残っていると、出産を機に体型が変わってしまった・・・出産してから肩や腰の痛みが強くなった・・・といった産後の身体のトラブルに見舞われてしまうのです。
今回のケースでも1人目の出産後にマッサージへ通い筋肉をほぐしてもらったりはしていたが、骨盤部を的確に矯正したことはなかったと言われていた。
出産後の骨盤は特に靭帯が緩んでいるので、動きやすいため的確に本来のバランスの取れた状態に1日でも早く戻してあげることが必要であると考えています。
このページの作成者について
著者:三ツ村聖
〜略歴〜
岐阜県瑞穂市の整体院「みつむら接骨院」院長
プロの整体師約370名が在籍している業界団体にて、講演の講師を平成28年、平成29年と2年連続で勤めたプロを指導するプロの治療家。